台湾旅⑤太魯閣渓谷

いよいよ台湾最後の目的地、太魯閣(タロコ)渓谷へ向かいます。台北からの日帰り旅行先としても有名なこの渓谷、行ったことのある人は全員勧める場所ですが、実は計画当初、あまり興味がありませんでした。渓谷と聞いてたぶん四国の祖谷みたいなところだと想像し、「祖谷には何度も行ったしなー・・(誤解のないように言っておくと、祖谷は本当にキレイで素敵なところなので、だから何度も行ってるんですが、台湾で似たようなところに行く必要はないか?)」という思いがあったのです。だけど、台湾フリークな元ヘルパースタッフのアメリカ人にかなり強くお勧めされ、そこまで言うならやっぱり行ってみるか。と決めた次第です。

そしてタロコ渓谷に足を踏み入れた瞬間、思ったのでした。「タロコごめん。来てよかった」。

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ネットでいくら写真を見ても伝わってこなかったのもそのはず。タロコ渓谷のスケールの大きさは写真に収めるのは到底不可能。視界いっぱいに広がる断崖絶壁に、そこを無理やりこじ開けるように作られた道路やトンネルの数々。ヘルメット着用必須のハイキングコースがあるのにも納得。上から岩が落ちてくるんじゃないかと思うような場所を通るたびにヒヤヒヤさせられる、こんな迫力とスリルは実際に来るしか伝わりません。しかもその地層が大理石でできているとか。地学に興味があるわけじゃないのに、大理石と聞くだけでなんだか荘厳な場所にいるような気がします。

山脈を東西に切り開かれた道路により奥深くまで車で簡単にいくこともできますが、とても優れてるなと思ったのは多様なハイキングコースが用意されていること。軽く見て周りたい人には散策コース、もう少ししっかり歩きたければハイキングコース、そして本格的に歩きたい人には登山コース。標高3000m超えコースもあったり、数日かけて歩けるように山荘やキャンプ場もあります。ハイキング目的のリピーターも台北からの日帰り客が多いのも、どちらも頷けます。

当然私たちも数日泊まってハイキング三昧といきたいところですが、やはり今回は3歳の子連れ。ハイキング抜きでどっぷり山の雰囲気に浸かるためにロケーション重視でこの日だけ奮発してTaroko VIllage Hotelに泊まることに。元々この地域に村を作って生活していたタロコ族によって運営されているホテルで、朝夕2食付きで夜はタロコ族の伝統民族ショーがあるという、THE観光地なホテルですが、たまにはそんな夜もありでしょう。

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山が四方をぐるりとそびえ立つ中にまずフロントとレストラン(朝夕食つき)がある建物があり、その奥に宿泊用のコテージが芝生広場を囲むように並んでいました。山小屋の雰囲気たっぷりだけどお部屋の設備は普通のホテル並みに整っていたので不自由はなし。広い敷地内を軽く歩ける散策路もあって、夕食前にまず散歩。

楽しみにしていた夕食は、タロコ族の伝統料理。他ではみない山菜を使った料理やスープなど、たくさんの種類が並ぶブッフェ式。味付けは質素めだけど民族料理だからそういうものでしょう。素材を生かした素朴な味付けで私はとても好きでした。目玉は豚の丸焼き。豪快に外で焼き上げでいただく出来立ての新鮮なお肉はやっぱり美味し。

夕食後、簡易ステージのある場所に移動してタロコ族の民族ショーのスタート。戦いのための舞、女性らしいダンス、民族楽器、タロコ族に古くから伝わる歌などなど、様々なショーを披露してくれました。まだまだ小さい子供もたくさん混じっていましたが、こうして小さい頃から教わり、実際に舞台に立って他から来た人々に披露することで、どんどん人口が減っているタロコ族の伝統を受け継いでいっているそうです。

翌朝も民族料理の朝ごはんをたっぷりいただき、ちょうど週末ということもあって大型バスが押し寄せてくる前にタロコ渓谷の散策へ出発。ただ、この時期は南の墾丁国立公園同様、ハイキングコースなども整備することが多いようで、一番人気の燕子口遊歩道は残念ながら閉鎖されていました。なので代わりに九曲洞遊歩道へ。

この遊歩道、ちょうどトンネルの出口間際にあったので初め遊歩道の入り口が分からず2往復してようやく発見。しかも駐車場がなくて、みんな路駐・・。トンネルの中にも何台か路駐してる車を見かけて、危ないなーーと思ったけど理由はそういうことか。繁忙期に来たら一体どんなことになってるんだろう。

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それにしてもすごい作り。分かりづらいけど、上の写真の右手真ん中あたりに少し窓みたいに開いてるところが遊歩道になってるトンネル。この奥に、車が通るトンネル。その上に覆いかぶさる山。左手下は渓流。

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遊歩道の中。自然のままの岩がむき出し。この調子で右手奥の方にずっと続いてます。

遊歩道の対岸に見えた滝

遊歩道の対岸に見えた滝

ああ、まだまだ歩きたいところがいっぱい・・。次回はハイキング目的で直接ここに来てもいいし、いい街だと噂の高い、国立公園の入り口にある花漣にも泊まってから来るのもいいな。そんな話をしながら台北へ戻ったのでした。

台北では初めにお世話になったStar Hostelへただいま。知ってるところに帰ってくるのはやっぱり安心感があるなぁ。そして最終夜に嬉しかったのは、松山でヘルパーしてくれた台湾のミリーちゃんが、ちょうど旧正月で帰省するタイミングと合って、着いたばかりなのにわざわざ会いに来てくれたこと。ミリーちゃんは日本語・英語どちらも流暢なトリリンガルなかわいこちゃんなのです。ミリーちゃん、ますます大人可愛くなってて久々に会えて嬉しかったよー!

そしてその後最後の最後に一人弾丸で、初日にも行ったのに買い足りなかった竹籠を買うため迪化街へ向かい、旧正月フィーバーで人に揉みくちゃにされて台北の夜を閉じるのでした。

今回台湾で見た一番の人混み

今回台湾で見た一番の人混み

それにしても台湾、本当に楽しかったし、居心地がよかった。そして食べ残した物や行きたいところがまだまだいっぱい。台湾に何度も行く人の気持ちがよく分かるし、私たちもその一員になるだろうと確信。次回はもう少しちゃんと言葉を勉強していくことにします。