Mua Cave (Hang Mua) in Ning Bing
早朝でもキラキラまばゆい香港を出発し、まず着いたのはベトナムの中部の町、ダナン。空港を出るとすぐ緑があって心地よい風が吹いていたのでほっとしたのが第一印象。
しかしダナン街中には泊まらず、そのままタクシーでダナン南部にあるビーチリゾート、のさらに南にあるアンバンビーチへ。
今回はアンバンビーチ→ホイアン→ニンビン→ハノイ+ハロン湾 という行程の2週間でした。
マットは2回目、私は初めてのベトナム。知ってるようで全然知らない国。久々に地球の歩き方を買って、勉強してからいきましたよ。歴史も民族も食も複雑多様でさて、たった2週間でどんなことを感じてくるのか。とっても楽しみでした。そして結果、大好きになって帰ってきました。
色んなことを勉強させてもらいましたが特に印象に残ったことが3つ。
まずはやはり職業柄、一番目につく宿やサービスの部分。まずはそこから書いてみます。
①マンバワーが半端ない
おもてなしの国として知られている日本、そしておもてなし精神において日本に敵う国はないだろう、と思っていたのですが。いやはや、ベトナム、なんとも至れ尽くせりな精神をお持ちでした。痒いところに手が届く。
とはいえ、そこはやはり仕事としてサービス業に就いているからであって、そうじゃない場では日本のおもてなしとは異なるんですが。笑
何に感動したかというと、宿のクオリティの高さ。いつも宿選びには一番時間をかけるんですが今回はどの町に行くにも宿選びが本当に大変でした。どこも良さそうで。いいところが多すぎて選べない。
それでも何とか選んで予約をすると、予約直後の確認メールからすでに感動するほどウェルカムな文章。そして宿へ到着するまでの交通手段、滞在中のアクティビティ、次の目的地までの交通手段は?と、こちらが必要としているであろうことを提供してくれる。
そしていざ現地へ行ってみて納得。それらのサービスをしてくれる人材が豊富だから。どこもオーナーががんばっていて、こちらがイレギュラーなことを聞いてもすぐ応えてくれる。宿のスタッフ以外にそれをしてくれる人がいる強さ。
もちろんそういったサービスを実際お願いできるのも、円安な日本人にもまだ手が届くお値段で提供してもらえるからですが、そうじゃなくても私たちもできるならもっと色んなサービスを提供したい。例えば港への送迎もあればもちろん喜ばれる。でも人手が足りないからできない。かといってタクシーを頼むにもタクシー会社でさえ人手が足りないから時間によってはできない。
人手不足が深刻な問題な小豆島、そして日本から行くとこのマンパワーの圧倒的な差にまず愕然としました。
それと同時に、外国人が日本に来て、自分で色々時間をかけるよりガイド付きで要領よく周りたいという需要があることにも納得。
最近は子連れなのでドミトリーには泊まりませんが、旅の間はできるだけ色んなタイプの宿に泊まるようにしています。今回も、アンバンビーチでは私たちに近いタイプのベトナムでは「ホームステイ」という名がつく小規模な家族経営の宿。ホイアンではオーナーの評判が前面に出ているゲストハウス。世界遺産のニンビンでは土地の雰囲気を感じたくてコテージ。ハノイでは旧市街に泊まりたかったのでプチホテル。
プチホテル Golden Rooster Hotel Hanoi ではマネージャーが常に想像を超える対応をしてくれて、かつ会った直後から初対面とは思えないフレンドリーさ。予約直後からチェックアウトまで信頼して色々お願いできました。
ところで今回、たまたま日本のゲストハウスオーナー仲間、高野山のKokuuさんご一家もベトナムに行く!という話を聞き、なんとかホイアンで合流することに成功!
お互い子連れなのでなんとか工面できた短い時間でしたが、同じく家族で宿を経営している身としてベトナムで感じたことが共通しまくっていました。Kokuuさんとはオープン当時からのお付き合いで、松山にいたときからお遍路さんが四国と高野山を行き来するので共通のお客様も多いのです。
お互いぶっ通しで話し続け、あっという間の楽しい時間でした。こうやって普段会ってなくても、何年経っても想いを共有しあえる仲間がいることに心より感謝です。
ホイアンの海鮮レストランにてKokuuファミリーと。お料理めちゃ美味しかったのは覚えてるけど、 話すことに集中しててこの後何食べたかほとんど覚えてない。笑
An Ban Beachで泊まったRed Flower Cottages Homestayの朝ごはん。選択肢も多いのに毎朝手作りしてくれてて本当に幸せな気分になりました。ここで頂いたフォーが本当に一番美味しかった。写真はカオ・ラウというホイアン名物うどん?麺
ニンビンで泊まったTam Coc Horizon Bungalow。反り立つ岸壁の真下に建てられていて、レストランは半分洞窟の中。毎晩の足湯サービスが最高でした
宿以外のマンパワーでいうと、みんな働き者。朝早くから夜遅くまで働いているようにみられました。レストランでも「From Breakfast to Dinner」とあり、メニューも一通り揃ってる。
面白かったのが、レストランに入って注文したら例えばドリンクだけ隣近所の店から運ばれてくることがなんてことがよくありました。自分のところで全て用意しなくて済むので助け合い精神か、合理的か、、しかし会計はどうしてるんだろうと余計なことを考えてしまうのはやはり事業者ならではの思考回路。
店に入る前にメニューを見てて、子供が食べたかったアイスクリームがなかったのでよそに行こうとしてたら「いや、うち、アイスクリームあるよ」と言って真顔で譲らなかった定員さん。きっとご近所に買いに行くんだろうな・・笑
②食事が本当に美味しくて新鮮
年を取れば取るほど海外へ行くと米か醤油か魚とか麺類(うどん県だから?)を食べたくなって仕方なくなるのに、久々に毎日食べてても飽きない国でした。
だって、出汁の効いたスープに麺、ご飯、魚、肉、パン、どれも美味しいし、味を変えたかったらついてくるタレや香辛料で自分好みにできる。
どうしても飽きたら(特に子連れは)イタリアンでも中華でもインド料理でもピザでも、なんでもある。
日本のように南北に長い国土のせいか、いく先々の名物料理があるから色々試す楽しみがある。名物と言われると制覇したくなって、しちゃったよね。
ベトナムに行くというとみんな口を揃えて「食事がおいしくて~~」と言ってたのを心から納得しました。
ホイアン名物「ホワイトローズ」と呼ばれる蒸しワンタンと、揚げワンタン。揚げワンタンはビールのつまみに最高。誰かビアハウスで作ってくれないかな。笑
ハノイで食べたBun Bo Nam Bo。細長いライスヌードルの上に炭焼きポークとお野菜がこれでもかとばかりに搭載。バクバク食べれる
そしてジュースを頼んだらいつでもどこでも100%果汁。どんな小さなお店にもジューサーがあって、100%て書いてるくせに表示みたら濃縮還元て書いてるボトルから出てくる、、なんて、ない。
さらに、お店で食事した後、かなりの確率でサービスのフルーツがついてくる。最高すぎる。2週間で半年分の果物を摂取できたかもしれない。
ジュース屋さん。好きな果物を選んでジュースにしてくれる
③交通量が半端ない。のに一度も事故を見ていない
交通量、特にバイクの数がすごいのは色んな人から話に聞いていたとおり。こんなのどうやって歩いて渡るんだ・・と思っていましたが、慣れてくるとむしろよそ見しながら堂々として渡ると向こうがよけてくれるくらい。現地の人は小学校くらいの子どもも堂々と歩いてる。
去年アメリカで一週間西海岸をロードトリップした時は、冗談抜きで毎日最低一回は車が事故しているのを見かけました。なのに今回は、一度も見かけてない!!たまたまかもしれませんが、実際このカオスっぷりを目にすると凄いことです。
ベトナム人の運転技術にも驚きましたが、さらにバイクに積み込む荷物の量が半端ない。一種の曲芸かのよう。通りに面するカフェの2階に上がってその様を眺めてるだけでも数時間いれそうなくらい面白い。
車もバスもバイクも手押し車もみんな一緒くた。そして歩道は全て店の飲食スペースか駐輪場にされているので人は車道を歩くしかない。どこもかしこもオープンカフェ、ていうよりストリートフード。
お店の席は常に外の歩道に広がっているので、かなりの至近距離で車やバイクが走って来る。
と、超個人的3大ベトナム感動要素をつらつら書いてみました。
他にももちろんニンビンやハロン湾の景色やクルーズのことなどたくさんあるんですが、今回はその自然よりも私には上に書いたことの印象が強く残ったようです。
ついでにもう一つ挙げるなら、世界的にAI技術が発達してて英語を全く話せないタクシーの運転手が普通に音声通訳してきて意思疎通に問題なかったこと。
小豆島には存在せず、都会に出てびっくりしていたタクシーアプリがベトナムでも普及されてて、タクシーでぼったくられることが皆無だったこと。
これはベトナムに限らずどこでも起こってることかと思われますが、便利で安心でありがたいことの半面、空港に着いたら戦闘モードON、四苦八苦して、ぼられず目的地に着いたら勝った!!!とばかりのテンションがあがっていたまるでサバイバルな旅時代を知っている人間には何か簡単すぎてなんか物足りない。
特に子連れにはトラブルもなくてスムーズに行くのはありがたい限りなんだけど。
そんなことを思うこと自体、年取った証拠だなー、、笑 と思うと同時に、現地に行かなくても膨大な量の写真などの情報が手に入って知ったつもりになってしまうこともできるこの時代、そんな土くさい旅を経験できていたのは幸せなことだったのかもしれない。
こんなことをつらつらと考えながらベトナムを旅してる間、マットがふと娘に「独り立ちしたら、DaddyとMammyは完全にバックパッカーな旅するからな。来たかったらついてきてええで」と言った時は笑ってしまった。似た者同士やなぁ、全く。笑
うん、全部徒歩か自転車かの人力で、使っても公共交通機関で、ロンリープラネットとか持っちゃって、宿の予約はもちろん電話やんな(その頃電話予約は存在するのか)? そんな旅しようね。
一番行きたかったホイアンのランタンフェスティバル。フェスティバルの日以外でも毎日夜はランタン祭りみたいだけど。笑 フェスティバルの日は舟に乗ってランタンを水に浮かべてお願いごとを。ランタンの灯りがとても幻想的でラップンツェルの世界でした
ところで今回、香港でもベトナムでも、晴れている日でもピーカン!という青い空にはお目にかかれませんでした。大気汚染のせいか季節のせいかは分かりませんが、どこかいつも霞んだような空がほとんどで。
そして帰国すると、なんてキレイな空の青。空港でもそうだったのに、小豆島に着くと空も海も澄んでてとっても気持ちいいい。
ああ、この空と海の色だけで十分な観光資源だ。
人間が造り出すものなんて自然には到底かなわない。この環境を守るために私たちには何ができるかな。そんなことを考えている時にちょうど国立公園プロジェクトのお話があったりして、これからの自分たちの在り方を考えるいい旅時間となりました。
旅に出るたびに振り返りと新しい学びがある。だから旅に出るのはやめられない。
「次はどこに行くん?」
と帰国直後に8歳の娘が聞いてきたのはちょっと面白かったけど。笑
ニンビンのコテージの前に広がる水田。それに映る夕陽や夜景が本当に美しかった。日本の懐かしの風景みたいで落ち着く。娘は今回の旅でなんだか少し逞しくなったようです。