さて台湾旅も後半戦。最後は急ぎ足で東海岸を周って台北に戻ることにしたので、朝ご飯をセブンイレブンコーヒーとパンを買ってビーチで食べた後、ほどほど早めに出発。
ところで台湾のセブンイレブンではお客が自分でいれるコーヒーの機械はなく、レジでスタッフが淹れてくれる。こぼれないようにか、蓋にセロハンテープを貼るところまで。暇な時ならいいけど忙しい時はかなりテンぱりそう。目の前では小学生っぽい子供がお使いで来たのか?コーヒーに、ミルクを入れてさらに混ぜてもらってから蓋をしていた。もちろんその後セロハンテープ。かなりの手間である。ぜひ台湾のセブンイレブンにもセルフでできる機械を導入してあげてほしいけど、それはまだ無理なのでしょうか。
あと一日いたら確実に真っ黒に日焼けしそうな墾丁国立公園を出た後東海岸までは、何度もGoogle ladyが主要道路の9号線へ導こうとするところを無視し続け、景色のよさそうな199号線を選んでドライブ。すると想像どおり時間はかかったものの、山間のきれいな景色や日本にもありそうな山奥の温泉地などを通り抜けながらの楽しいドライブに。
ぼちぼち休憩したくなってきたなー、というところで、山奥に個人で庭園を造って一般に開放してくれている公園を見つけて散策。広い池に蓮の花がたくさんあったり、ブランコがあったり。こういう寄り道を偶然見つけた時はホントに嬉しい。名前を控えるの忘れてしまったけど、199号線を走っていたら確実に見つかります。
長い山道を走り、東海岸へ近づいてくるとすっかり気候も変わり、ひんやりとした空気。そして台湾の原住民の人たちが多く住んでいるので周りの雰囲気も今までのところとは明らかに違う。そして、うちに泊まってくれた台湾人ゲストの一人から教えてもらったのは、今台東周辺は台湾アーティストたちが集まっていて盛り上がっているのだとか。
ランチも兼ねてまず向かったのは都蘭の都蘭(Dulan)の製糖工場文化園區(Dulan Sugar Factory Cultural Park)。元々砂糖工場だったところを地元の若い人たちによりアートギャラリーやクラフトショップなど、人が集まる場所に生まれ変わらせた場所だとか。確かに見た目まんま倉庫や工場っぽい建物が並んでいて、大きなイベントステージもあった。ただ、私たちが行った時間と日にちが悪かったのか、あまり空いている店はなくて人もまばら。でも唯一空いていたレストランで、唯一お腹が膨らみそうなメニューをあまりどんな物かわからないまま注文すると、餃子に近い形のジューシーな小籠包が出てきて、副菜もあわせてとても美味しかった。これだけでもここに来た甲斐があったな。
ご飯を食べ終わる頃には、ぼちぼち空いてる店が増えてきて、人も少し増えてきた。遅め開店なのね。それで色々入ってみると、他では見かけないようなデザイナーさんオリジナルの物がたくさん。イベントがあるときには盛り上がるそう。
そしてこの日の夜の目的地は、玉里(Yuli)にある智嵐雅居 (Wisdom garden)というB&B。なぜここかというと、墾丁からタロコ渓谷に行くのは先に決めていて、その間にどっか温泉のあるところで一泊したいね~、て話してたら、とってもよさげな宿が見つかり。その近くに温泉もあるみたい。じゃあここにしよう、てことで、宿ありきで決定。
どこまでも気持ち良いほどに延々と続く東海岸から一旦内陸に入り、宿を目指す。この辺りのことは何も予備知識なしに来たけど、ハイキングやお米の生産で有名なようで、歩いてる人をちらほら。ほら、また改めて来たい場所が増えたよ・・ なんていいながら着いたお宿は、まぁなんとキレイな花々が咲き乱れる、ガーデンウェディングができそうな緑に囲まれたお庭の中の一軒家。自然の滝があって、そこからオーナーが作った川が流れる庭。素敵すぎる。お出迎えはまぁまぁ大きい、けど躾がしっかりされたワンちゃんと、ちょっとまだやんちゃなワンちゃん2匹。その奥から朗らかにオーナー夫妻が現れて挨拶してくれた。何かの映画のオープニングの様。
こちらのオーナーは年配のご夫婦で、ここをオープンするまでは台北に住んでいたとのこと。朝ご飯の時、「退職して好きなことをしたくてね」と話すオーナーに、「いや、でも今めっちゃ働いてるやん!」と他のゲストからの突っ込みが。「うん、でも好きだから苦にならなくて」と笑顔で話すオーナーさんが作るこの朝食がまた凄かった。何がすごいって、ビュッフェ式で朝食を用意してくれたんだけど、その豊富な品数。中級クラスのホテル並み。それを奥さん一人で仕上げる。感服です。室内の装飾も、お二人の好みや雰囲気を表す物たちでしっくりきていました。
どこぞのゲストハウスのように周りに食べるところは何もなく、車がないとアクセスできないところにあるので、晩ご飯は玉里名物という玉里ラーメンを食べに行くことに。オーナーに老舗のラーメン屋を教えてもらって行くと、日本の屋台ラーメンのような素朴な味で、想像以上に美味しかった。毎日でも食べれるかもしれない。
ここの近くで有名なのは安通温泉。でも公衆浴場のようなものがたくさんある地域ではなさそうだったので、一番大きなホテル、安通温泉飯店の日帰り湯に行くことに。ここは露天風呂エリアが広くて屋外プールみたいな温泉があったり、滑り台付きや日本の岩風呂っぽいのもあったりして、子連れで十分楽しめました。ただ、温度がほぼ水みたいなお風呂もいくつかあったから、冬は入れる数がやや限られるかな。
混浴なので、もちろん水着は着用。北投温泉の時ほど厳しくなかったけど(水着にポケットついててもOKだ)、プールみたいな温泉で、水泳キャップかぶってガチに泳いでる人とかいたのが台湾ならではの光景かと。滑り台付きの岩風呂があったから子供と一緒にテンションあがったけど、残念ながら下がザラザラして滑れませんでした。笑 お湯はツルツルとしてて満足。
ここは更衣室が男女に分かれてたけど、その更衣室の中にさらに個室があって服の着脱は他の人に見られないようになってた。うーん、女性しかいない脱衣所でさえ羞恥心があるのね。
宿からそのまま出発できるハイキングコースもいくつかあるらしく、延泊したい気に駆られるのを振り切り、翌朝はタロコ渓谷へ向けて出発。台南の包成家が今の私たちに近いとすれば、この智嵐雅居は20年後くらいの私たちの予想図に近いかな。こんな見事な朝ごはんを出せるようにはなってないだろうけど。笑
玉里からタロコ渓谷までまっすぐ行けば1時間半くらいで行けそうだったので、富源国家森林遊楽区 Fuyuan Forest Recreational Areaで寄り道。これまた広大な敷地の中を川が流れ、吊り橋があったり色んなハイキングコースがあったり、露天風呂まである立派な公園。しかもこの中で泊まれるホテル (Butterfly Valley Resort)もあるそうな。はい、また戻ってきたい場所が増えました。
お昼は 紅瓦屋老地方文化美食餐廳 Cifadahan Traditional Amis Restaurant へ。ナビに従って走るも看板もなく、一体どこに行ってるんだと不安になるくらい細道を走らされること数分。そこに急に現れたのが、民族的な木工彫刻で飾られたなかなか大きなレストラン。
入るとどどーんと大きな黒板に手書きでメニューが書かれていたけど、注文の仕方がさっぱりわからない。すると唯一英語が少しできるという、うっかり一目惚れしてしまいそうにチャーミングな女の子が出てきて説明してくれたので、何とかここの名物だという石頭火鍋と白米、紫米飯を注文することができた。
待つこと数分。スタッフがガラガラとワゴンを押して運んできてくれた。おぉ、これが石頭火鍋か。
右の鍋の中にあるのは熱々に熱された石。それを左手の鍋に入れて沸かすという方法らしい。石を入れるたびにジュー!ジュー!!と湯気が上がり、パフォーマンス感たっぷり。最初この石を入れたまま食べて、しばらくしたらスタッフが石を取り除きに来ました。
中に入ってたのはかなり大きな魚2匹とたくさんの海老、そしてたっぷりの青菜。これにオプションで色々頼めそうで他のお客さんたちの机には色々乗ってたけど、頼み方も分からないしうちはシンプルにこれだけ。それでも、食べても食べても出てくる魚たちにお腹いっぱい、十分満足しました。
東海岸、一日で通り過ぎてしまったけど、もっとじっくり見てみたかったところだらけ。後ろ髪引かれまくりながらこの後タロコ渓谷へ向かうのでした。