行きたいな、でも近いしいつでも行けそうだしな、と二人とも思って行ったことのなかった台湾。行った誰もが口を揃えて「よかったよ!」という台湾。ゲストハウスに来てくれる外国人TOP3に堂々ランクインしている台湾人。それでなんだかすっかり知ってる気になってた台湾。ようやくその地を踏む時がやって参りました。
そして分かったのは、台湾のことを何にも知らなかったということ。フレンドリーで温和な人々だというのはゲストを通じて分かっていたものの、それに加えてパワーがあることを認識し、「美味しいものが本当にたくさんある」を体感し、小さい島に似合わずスケールの大きな自然がたくさんあることを実感し。
それなのになんだろう。帰国後、「台湾、行ってきたでー!」ていう大きな達成感のようなものが、ない。なんか日本でちょっと長めに旅行して帰ってきたような感じ。もちろん満足感はあるんだけど。
2日目にして家に帰りたがり始めた娘の機嫌を取るために、毎日合間に公園に行ったり日本と変わらないことをしていたせいか?そんなこんなを備忘録も兼ねて書き連ねてみたいと思います。
今回の行程、まずは初心者らしく台北から。3泊した後はレンタカーを借りて左回りで台南3泊、墾丁国立公園2泊、玉里(安通温泉近く)1泊、太魯閣(タロコ)渓谷1泊、そして最後に台北に戻って1泊。軽く一周の合計11泊12日の旅。どこも雰囲気が全く違ってて、行って良かったところばかり。
元々は、子連れで色々動き回ると大変やから2,3か所くらいに絞って・・て言ってたのに、色々見始めるとやっぱり欲が出てきて結局この行程。
ともあれ台湾入国の地、台北。キレイで整然とした駅の構内やシステムは日本を思わせ(しかも日本語書いてくれてる看板も多くて助かる)、数日いたら電車や地下鉄は余裕で乗りこなせるように。けれども一歩外に出ると車道を爆走する車やバイクの騒音、路上にひしめく小売店や飲食店の熱気と匂いにアジアの空気を感じる。それでいて危険を感じない(当然危険な場所はあるんだろうけど、他のアジア諸国を旅した時と比べて)。行った時がちょうど中国の春節(旧正月)の前だったので日本の年末よろしくどこもかしこも赤と金色の飾りだらけで賑わってたのも加わり、そんな色んなことごちゃ混ぜの空気感が1日目にして気に入りました。
一番楽しみにしていた夜市では、庶民の食堂ごとく屋台がひしめきあう側で昔懐かしの射的やらゲーム台があったりして、なんだなんだ、台湾では毎日お祭り開催中?!しかも台北市内だけでも夜市がいくつもあって、全部制覇しようとすると何泊もしないといけない。この活気に感動。
それにしても、目に入ってくる文字は知ってるものが多いから分かる気になるけどよく見たら全然読めない。「漢字やからある程度分かるやろ~」とタカをくくって全く予習せずに飛び込んだもんだから、初めて入った宿の目の前にある食堂で四苦八苦。もう少し食べ物の言葉だけでも勉強してくるんだったと早速激しく後悔したのでした。
セブンイレブンに入ると日本語そのままのパッケージで売られている商品。ファミリーマートでは入った瞬間、日本でもお馴染みのあのメロディー。。なんだなんだ、今どこにいるんだ私は。しかも99%中国語で話しかけられる私。あら、そんな自覚は今まで全然なかったのに。あまりにも自然に話しかけられるから、答えられないことにだんだん罪悪感を覚えてきた。汗。
トイレも、今まで行った海外の中で一番キレイだったし。ティッシュを流せないことも、慣れれば何でもないし。いつも海外から日本に帰ってきて一番「帰ったーー」て実感が沸くのがトイレだけど、今回はそれがほぼなかった。そんなこんなが、異国にいるのに日本にいるような錯覚を覚えさせたのかと思われます。
ところで街にはおしゃれなカフェやレストランもかなり多く、たまたま行った華山1914文創園区ではあまりのオシャレさ、かつ面白さに子供も含めて3人ともテンション上がりまくり!
元々は日本の酒造メーカーが日本酒やワインなどを醸造するのに建てた建物だそうですが、その建物を生かしてカフェやセレクトショップ、映画館などが軒を並べていました。その一つ一つがまた個性的でこだわりのあるお店ばかり。広々とした敷地なので休憩しながらゆっくり周ることもできるし、子供も大人も楽しめる、木に触れて遊べてオリジナルの製品を作れるお店もあったりするので子守りを交代しながら楽しむことも。
また、アートスペースの展示内容は随時変わる様子。私たちが行った時は「ZOO」という、広い室内で巨大な動物バルーンたちと戯れて遊べる施設があって、そのおかげで一番満足してたのは娘かな。笑 いくつかある広場では大道芸人のパフォーマンスが同時に繰り広げられていました。
台北ではもう一つ、「千と千尋の神隠し」の風景を思わせるということで人気の九份に行ってみたかったんだけど、行ったことのある人全員の感想が「すごい人だった」というので、丸一日街歩きにつき合わせて疲れた3歳児を連れて行くところじゃなさそうだ・・と断念し、もう一つ行ってみたかった「北投温泉」へ行くことに。
これが大正解。市内から電車で約30分。すぐ行けるのに深い山に囲まれていて、着いてまずは大きく深呼吸。うーーーん、やっぱし都会よりこういうところが断然落ち着くなぁ。広い公園もあって子供ものびのび、大喜び。その公園の中に「世界で最も美しい公立図書館ベスト25」に選ばれた図書館もあります。残念ながら行った日は休館日だったけど、外観だけでもとても素敵でした。
台湾のほとんどの露天公衆浴場は混浴で、水着着用。それでも中の写真を撮れなかったのが残念なくらい、中のカオスっぷりが面白かった。地元の常連っぽいおっちゃんたちが音楽かけてる人、なぜか本の朗読してる人、なんかの瞑想にふけってる人・・人間観察してるだけでしばらく楽しめる。笑
そんな人たちを眺めつつ浸かるお湯は格別に良くて、2日目もまだ肌がスベッスベ。周りには高級温泉旅館も軒を並べていたので日本からここを目的に温泉旅行にやってくる人が多いというのも納得。
ちなみにこの北投公園露天温泉浴場「千禧湯」、水着でもポケットがついてる水着はNGです!これから行く人、ご注意を!持参したマットの水着にはポケットがあって、その場で新しいのを買わされました・・。この時初めて台湾でボラれた気になった。涙
また、温泉は休憩?清掃時間?があって、時間になると強制的に外に出されます。入れる時間をチェックしてから行きましょう。
この公園内、ずっと歩いていくとモクモクと湧き出る地熱谷のすぐ近くまで行けます。お風呂上りの散歩にほどよい距離なので、ぜひ。
台北編の最後に。台湾旅の始め&終わりの宿に選んだのは、台北駅近くのStar Hostel Taipei Main Station。誰かのブログでたまたま見つけたホステルだったけど、ここが色んな意味で大あたり。
空港からも色んな場所にも行きやすい台北駅から徒歩圏内だし、大規模ホステルなのにスタッフ教育がしっかりされててみんないつも笑顔で流暢な英語でテキパキと対応してくれる。毎日何かのイベントを開催しててゲスト同士の交流も考えてくれてるし、一人で過ごすにも最適な、抜群のセンスの共有スペース。ビルの一画をぶち抜いて広い空間を作り、さらにその中に小さな家を入れるというセンスの良さ。無料の朝ごはんも曜日ごと?に変わってて飽きないように工夫されてる。もちろん美味しい。
日本にここ数年激増してる、施設はオシャレで整ってるけどオーナーやスタッフの想いが伝わらない宿かな~と思っていましたが、大きく外れてくれました。一人旅でもグループや家族でも(日本でもそうだけど台北でも子連れNGのゲストハウスが結構多かった)、幅広い層にお勧めです!