Morocco 続編

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その4. モロッコの大自然

「着陸態勢に入りました」 そんな機内アナウンスが流れた時に飛行機から見たモロッコは、茶色。一面茶色。その中にポツンポツンと緑があるくらい。 わーーーー 本当に砂漠の国に来てしまった!というのが第一印象。 着いてまずラバトで一泊、フェズで3泊したんだけど、街から街へ移動する間は砂漠のような土地がダダーっと広がり、着いたらそこだけ囲われてるかのように人の住むエリアがある。といってもフェズは砂漠の中の大都市って感じで歩いてても埃っぽいし、公園を見つけたときには心底ほっとした私たちはやっぱり緑の国で育ったんだなぁと実感(マットはほぼ砂漠のテキサス出身だけど、違う種類の砂漠らしい)。

なもんで、モロッコで緑緑しい景色は期待してなかったものの、前回のシャウエンは山間にあるので近くにきれいな滝と川が流れる場所はあるし、カスバ街道と呼ばれるアトラス山脈南部の道沿いには各地にオアシスが広がってるし、西海岸に行けばヤシの木がそびえ立ってたり愛媛を思い出すオレンジ畑(ぶどう畑みたいに植えられてるものの)が広がる、果物や野菜が豊富に育つ土地だったり。サーフィンで有名なビーチがあったり。想像以上に数々の景色を堪能させてもらいました。

しかしまずはやっぱりサハラ砂漠。ベタすぎるやろ!と言われようがなんだろうが、どうしてもしてみたかったことの一つが「ラクダで砂漠を歩いて砂漠でキャンプすること」。

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そしたらなんとおまけに、だいぶ前に聞いてから密かにしてみたかった「サハラ砂漠でスノボ」もできたーーー!!!!

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砂漠のど真ん中でひたすらぼーーーーっと砂と星空だけを延々と眺めてみる。キレイ。なんで砂だけなのにこんなに美しいんだろう。でもここで住めるか?住んでる遊牧民の人たちはいるけど、少なくとも私は住めない。ちょっと想像しただけでもすごい孤独感。住めないのに、世界中から人を惹きつけるこの景色の魅力は一体なんなんだろう。 そんなこともぼんやり考えながら、やっぱりお約束でほぼ満月の光の下で月の砂漠を歌ってみたのでした。(でも初めの歌詞しか覚えてなかった・・。後で調べてみたら、なんとも深い歌だった)

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そんな大砂丘のほとりにもオアシスが広がってたりもする。すごくほっとする光景。そんな中にものすごく馴染みのあるお花が!!桜?!!!

かと思いきや、なんとアーモンドの花らしい。初めて見た。桜にそっくり。

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そしてカスバ街道。ガイドブックには、「司令官や要人が住んでいた砦をカスバと呼び、要塞化した村をクサルと呼ぶ」て書いてあったけど、モロッコのカスバ街道では道中に名前のとおりカスバがそこらじゅうにあって、元々大家族が住んでいた巨大な家も村も全部カスバって呼ばれたりしてたので実際のところはどうなんでしょう。 私たちは砂漠からワルザザートという砂漠の入り口の街まで、東から西へと一泊ずつしながら移動することに。上の写真でみると、手前の緑がオアシス、その上にある濃い茶色がカスバ、その奥にあるピンクっぽい建物が新しい住居。 近づくとこんな感じ。あちこちがポロポロしてる ↓

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カスバはその地にある土と草みたいなのを混ぜて造ったブロックを積み重ねて造られているので、長い年月が経つと風化してしまい人が住めなくなる。そうするとすぐ側に新しい住居を建てて住み替えるらしい。(でもカスバによっては、ボロボロでもまだ人が住んでたりする場所も多い。)つまり元々の古い家=カスバはそのまま風化されて土に帰るのか。。 なんて自然の理にかなったやり方なんでしょう。 道中、バラの栽培で有名な町があったりグランドキャニオンばりの渓谷があったり。カスバの中も実際に歩けたり、宿として改装されているところもあったり。砂漠エリアにいながらも色んな景色が楽しめます。

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ところで今回のハイライトになったのは、砂漠でのキャンプも最高だったけど「オアシスのエコロッジでキャンプ」。カスバ街道も堪能し、ワルザザードで久々の都会の雰囲気を味わい、もう一回違う町から砂漠に行くかどうするか考えてた時にたまたま見つけたものの、ワルザザードから15km程度で行けるのにベルベル人家族が昔ながらの生活スタイルを守るエコロッジがある場所と聞き、即決。 ところがいざ行ってみると、確かに距離は短いけど街を出てからの10kmくらいはずっと舗装されてないジャリジャリぼこぼこの道で、結局1時間もかかってようやく到着。 ジャリジャリの砂漠で何にもないところをひたすら走り、渓谷になっているところをゆっくり下りていくと、その奥に現れたのがこちらのエコロッジ。

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これはエコロッジ裏手の山から撮った写真なんで実際に着いたときの風景じゃないけども。左手上に見えるのがそのジャリジャリ道。崖と崖の間に自然と同化するようにして建てられた建物(左手)と、ベルベル式テント(右手)。 そしてオアシス。ここにもアーモンドの花が。

電気は全て太陽光発電で賄い、水は裏手の山から湧き出ている水を使う。でも今年は全然雨が降らないらしく、水はとても貴重なのでこちらも最小限に大切に使わせてもらう。 モロッコの先住民であるベルベル人のモハメドさん一家がここで暮らしながら彼らの生活スタイルに興味のある人を受け入れて知ってもらいつつ、彼らの生活文化を守っているらしい。 なのでこの環境を変えないために道も舗装はしないんだとか。 ご飯はオーナーである彼のお母さんや弟の奥さんたちの手作りで心底 おいしい。宿代としては正直今回のモロッコ旅の中では高い料金を払ったんだけど、この限られた環境の中で最大限におもてなししてくれる彼らのおもてなしや、ここをこれからも守っていってもらうための寄付と考えれば全然高くない。 ゲストも彼らの生活を尊重し、シャワーが水だけになろうが文句は言わず、大切に扱う。 こういう関係が気持ちいい。

ここの名前は「Ecolodge Ouednoujoum」 フランス語で「River of stars」という意味。 その名のとおり、日が暮れると空一面に広がる星空に圧倒される。ワルザザードが近いといえどもその間には何もなく、特にここは崖に覆われて外の光が完全に遮断されるからこれだけきれいに見れるんだとか。 その星を楽しむために、テントの灯りも最小限。キャンドルを使う。 夜はもっと冷え込むと思ってたけど、砂漠の時もこちらもベルベル式テントの中は本当にあったかくて、ぬくぬくと音ひとつしない空間の中でぐっすり眠らせていただきました。

一泊だけの予定を2泊に延泊したけど、一日周りを歩いて散策するか、彼らの仕事を観察するか、ヨガするか、本を読んだり夜は星空を眺めたり。そしておいしいご飯。最高◎

日本人は砂漠に行くツアーの途中でこちらの見学が含まれてることが多いらしく、なので日本人観光客はよく来るけどみんな数時間の滞在だけで通り過ぎるから泊まってゆっくりすることはないんだとか。 ぜひぜひぜ皆さん、ツアーじゃなくて直接彼らに連絡して泊まってゆっくりしてみてください。と、彼らからの伝言です。

ここで頂いたご飯はどれも新鮮でお腹と心にしみわたるおいしさだったんだけど、モロッコではほぼ毎食ついてくるパンも彼ら独特のアースオーブンでお母さんたちが手作りしてくれました。絶品!!!ピザ生地みたいに寝かしたものを手で伸ばし、そのままオーブンに入れる。ほんの1,2分でできあがり。

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食卓にはこのように出されます。奥のがこのパン。手前のがタジン。この日はヤギのタジン。お庭にいたかわいいヤギさんを頂いたのかと思われます。。おいしく一口ずつ噛みしめて頂戴致しました。

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ではこの流れで その5.食べ物編

モロッコの代表料理、タジン鍋。日本でも流行ってるものの、実際に食べるのは初めて。とんがり帽子みたいな蓋をこの上にかぶせ、水を使わず野菜などの素材から出てくる水分だけを使う蒸し料理で、できあがったらその帽子を取ってそのまま食卓に出せるので洗いものも少ないし、何より水を使わないっていうところが砂漠にかなった調理法。ゆっくりじっくり蒸し上げるのでお野菜がどれもホクホクしてておいしい。 味付けは、見た目赤くて辛そうなのに、これが全然辛くない。 クミンとパプリカと、あとは何・・?てくらい何回食べても一体どんなスパイスを混ぜて作ってるのか分からなかったけど、聞いたところシナモンやサフラン、しょうが、あとオリーブやはちみつや果物も混ぜたソースを使うこともあるとか。 野菜の下に牛や鶏やヤギや魚なんかが入ってて、お店に行くと「牛タジン」「鶏タジン」なんて感じで選びます。

地方によって味付けに違いがあるらしいけど、個人的に一番ヒットだったタジンは「アンチョビのタジン」。前回書いた青い町、シャウエンあたりでよくある食べ方らしい。この町はスペイン領として統治されていたこともあって、モロッコとスペインの雰囲気がまじわりスペイン語が使えるところが多く、味付けもちょっとスペインやイタリア寄りなものが多いようで、アンチョビのタジンもまさにイタリアントマトソース&アンチョビの味にすごい近い! ワインが進む・・ といいたいところだけど、カサブランカやマラケシュ以外ではアルコールは置いてない店がほとんどなので雰囲気だけ。

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こちらは西海岸に近いタルーダントという町で頂いた魚タジン。野菜や果物、お魚が市場にわんさかある豊かな町だったからか、使われてる野菜の種類もすごく盛りだくさん ↓

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次は、同じくモロッコの代表料理、クスクス ↓ 。

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タジンと似てる? 似てます。同じく蒸し料理だけど、野菜の下にクスクスと呼ばれるお米がものすごく細かくなった、ポロポロした軽い食感です。 こちらはタジンと違い、クミンの効いたスープをかけて頂きます。 軽いからサクサク食べれそうなんだけど、これが結構お腹にくる。。この写真は一人前だけど必死で食べました。

タジンもクスクスも何人かで頼むと大きなタジン鍋で出てくるのでそれをみんなでシェアします。 モロッコ人の大家族がみんな集まるときはこのクスクスを大量に作ってそれをみんなで食べるそうです。 たまたま一度その大家族のクスクスランチに参加させてもらった時、あまりのボリュームにビックリしたけど。

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マットが持ってるのはケフタと呼ばれるミートボールみたいな肉団子と卵のタジン。手前はケバブ。これは盛り合わせで頼んだので色んな種類のお肉が並んでます。 ケバブっていうと、屋台とかで売られてる野菜やお肉を巻き巻きにされてるのをイメージしてたけど、モロッコでケバブというとこういう串刺し状になったものをいうらしい。

屋台ではこんなダイナミックな感じで焼かれてます。右手奥にちょろっと映ってるのがお肉屋さん。ぶらさがってるお肉の塊から直接買って、ここで焼いてもらう。 炭火で焼いてるので周り一面モクモク。

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あとはまったのはスープ。特にハリラと呼ばれるひよこ豆と色んな野菜盛りだくさんで栄養たっぷり、ちょっととろみのあるお腹に優しいスープ。他にもフィッシュスープとか野菜スープとかあったけど、どのスープも外れなし。 下のはエコロッジで頂いたベルベルスープ。ちょっとスパイスが効いてます。

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ところでモロッコのほとんどのレストランのメニューが、タジンかクスクスかケバブかスープ。日本でいうと、鍋かどんぶりか焼き鳥か味噌汁だけ、てな感じでバリエーションが少ない。牛か鶏かとかを選ぶものの基本的な味付けは同じだから、正直3日目くらいで「あぁ めっちゃ醤油とか食べたい・・」て夢の中で悶絶したことが一回だけあったけど、その後は慣れて「昨日クスクス食べたから今日はタジンにしようかな?」てな感じで楽しんでました。順応力の高い胃袋でよかった。

だけど日本人のDNAを一番実感した、狂喜乱舞したのは海辺の街、エッサウェラとアシラー。町に着いた途端、炭火焼き鳥の代わりに魚フライの匂いが~!!! 屋台で一匹ずつ買うこともできるけど、興奮しすぎてこんなん頼んでしまった。これで二人分・・ 4種類の魚が一人一匹ずつ・・ 次の日サンドイッチにして全部平らげたけども。 この町ではパエリアも食べれたので、久々のお米に感涙。

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そしてエッサウェラではこんな光景が。

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誰かのブログに「魚市場で魚を買って、そのすぐ横にある屋台で焼いてくれるからその場で食べれる」というのを読んだので、エッサウェラの目的の一つはここ。 この中から自分で食べたいものを選ぶシステム。 ただ、そのブログに「醤油があればよかった」と書いてあったので、しっかり日本からお弁当に入ってる小さなお醤油とワサビを持ってモロッコ入りし、何週間も持ち続けてようやくこの時が来たというのに・・ 。 こともあろうか、この魚市場に行く時にその醤油を宿に忘れてきてしまった。涙。 気づいた時にはお腹ペコペコでこの魚たちも目の前にしてたので、結構遠いから取りに帰るのも面倒であきらめたけど、炭火で焼いて出してくれたお魚を塩かけて食べた時ほど醤油を欲したことはなかったさ。。 今回の旅唯一の後悔。

と、食べ物の話ばっかり書き始めたら無性にまた食べたくなってきたしお腹が空いてきたので、まだまだ書ききれないことだらけですがこの辺で終わりにしたいと思います。 あるゲストの言った、「モロッコはどこで食べてもご飯がおいしかった」は、本当でした。 モロッコ人、まずいものは作れないんじゃないやろうか。

あ。最後に。未だに夢にみる抜群においしかったミックスジュース、Juice Royal。アボカドジュースが有名みたいだけど、これはアボカド×イチゴ×マンゴー。ロイヤルって高貴な響きにふさわしい味でございました。もしモロッコで見かけたら絶対飲んでください。ただ、こうやってレイヤー状にきれいにしてくれたのはアシラーのジュース屋さんだけでした。ストローの中で3つの味が交わる感じが絶妙なのです◎

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◎今回の行程◎

カサブランカ着ラバト泊→フェズ→シェフシャウエン→セウタ(スペイン領・徒歩で国境越え)→アシラー→メクネス→メルズーガ&サハラ砂漠キャンプ→トドラ渓谷→ダデス渓谷→スコウラ→ワルザザード→エコロッジ(Fintオアシスの近く)→タルーダント→エッサウェラ→マラケシュ→カサブランカ 計30日間

★おまけ★

モロッコらしからぬ緊張感をもって佇んでいたネコちゃん。居心地悪そう。。 (モロッコは猫天国。あちこちネコだらけ)

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