Camino Portugues 2014

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去年に続いて今年もスペインの巡礼の道、今回はポルトガルからサンチアゴへ向かう Camino Portugues、そして最西端のフィステーラまでの合計約360kmを6月上旬に12日間かけて歩いてきました。

まずは関空からリスボンに着き一泊、その後ポルトで一泊。せっかく初めてのポルトガルだから、歩き始める前にちょっとでも街の雰囲気をみれればと思ったんだけど、どっちの街も古い建物がそのまま残っていて、着いた早々テンションあがりまくって「一泊で全部見るなんてもちろん無理だから」とかいいつつ、時間の限り歩き回り、そして食べまくり。

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ポルトガルに着いてまず思ったのは、人がみんな穏やかで親切。そしてご飯がおいしい。シンプルな味付けだから、毎日食べても胃がもたれない。笑 その中でも何が一番楽しみ&おいしかったって、そりゃあやっぱりシーフード。
初日の夜にゲストから聞いたシーフードレストランに行ったところ、まだ夜早い時間だったにも関わらず超満席!!
店中に市場並みの怒声が飛び交い、忙しく走り回るウエイターさんたちの手によって運ばれるお皿から溢れんばかりの海鮮たち。いやでも期待が募る。。悩ましい選択肢の中からなんとか選んだのはこちら。

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カニのこのデカさ。カニ半分でお腹いっぱいになったのは人生初じゃなかろうか。ウケたのは、ナイフ&フォークと一緒に小さなカナヅチとまな板が運ばれてきたこと。「カニを叩いて食べろ」ということらしい。

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従ってガンガン叩いてると、もちろん周りに飛び散ってもぅベッタベタ。日本=ハサミ、ポルトガル=カナヅチ・・笑
何がなんでも残すもんかと完食し、ワインも一本開け、その後「せっかくだから」と向かったファド(リスボンの民族歌謡)のライブでは、約1日飛行機に乗っててあまり寝れなかった疲れが一気に出て、最高の雰囲気のBARの生ライブ中に爆睡してマットに恥をかかすという大失態をおかしてしまったのでした。。汗

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翌日、気を取り直してポルトへ。ポルトは旧市街地全体が世界遺産になっているだけあって、どこを切り取っても絵になるようなところだらけ。
街に着いた瞬間にもっと長く居たい!!て思った程。なんとかもう少し時間を取れないかなどなど考えてみたもののうまくいかず、結局2日目もギリギリまで歩きまくって地元の名物料理をランチで食べた後に、ようやく重いお腹を抱えながら今回の歩きスタート地点MATOSINHOSへと向かったのでした。

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と、その前にポルト市内の大聖堂にて今回のクレデンシャル(巡礼者としての証明書のようなもので、各地でスタンプをもらいながら歩いていく)をゲット。
発行する各国によってこのクレデンシャルも違っていて、ポルトガルのはカラーでかわいい。なんしかこれで一気に巡礼モードに。

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さて、ポルト市内からMATOSINHOSまで電車で移動し、CAMINOのサインを探しながら海岸へ向かう。と、初めのサイン、発見!!巡礼の道を歩く者にとってはこの道中のサインが命綱。帰ってきたよーーー!!!といいながら、楽しみにしていた海岸線へ。

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大西洋を左に見ながら延々と海岸に沿って歩いていく。途中ビーチに降りる部分もあって、高知で歩いた大岐の浜を思い出してまたテンションUP。

でもしばらくずっと歩いていくと、確かにまっすぐ行くだけだから楽なんだけど、どこの町もなんだか新しくて同じに見えてきた。新しく開拓された町なんかな?と思っていたら、後でたまたま出会ったポルトガル人に聞いたところ、実は前に大津波が起こってこの辺一体の町が流されてしまったとのこと。
そうだったんや。。  復興が順調に進みますように。

ポルトガルはどこもかわいいタイルでいっぱい

ポルトガルはどこもかわいいタイルでいっぱい

ちなみにポルトガルの道は、ポルトから歩き始める人が大半だけど、そこからずっと内陸を歩く人と、私たちと同じく海岸線を歩いてVILA do CONDEから内陸へ入る人、またはそのままずっと海岸線を歩いてスペインとの国境の町、Valencaから内陸へ入って合流する人、という風に分かれる。
そのこともあってか、VILA do CONDEまでは巡礼者にはほとんど出会わず、CAMINOのサインやアルベルゲ(巡礼者用の簡易宿泊所)も少なく、Valencaに着いてから一気に人が増えた、という感覚。

それでも去年歩いたフランスの道に比べると、圧倒的に人が少なくて歩いてる人もポルトガル人・スペイン人がほとんど。標高は高くないけど山道も多く、道中人に会わなくて宿で出会うところとか、四国の道を思い出すことも多し。

山あいの小さな村にあったアルベルゲで、晩ご飯の後に伝統的なセレモニーを見せてもらった

山あいの小さな村にあったアルベルゲで、晩ご飯の後に伝統的なセレモニーを見せてもらった

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全然英語が通じない人も多くて日本人には今回一人も会わなかったから、スペイン語だけが飛び交ってる時にストレス溜まるたまる。
おかげで四国を歩いてる外国人の気持ちもしみじみ分かったり。私たちの目的である四国を広める草の根活動作戦にとっては良くないんだけど、個人的には人が少ない方がのんびりできて最高なので大満喫してきました。

Valencaから川を渡ってスペイン初めの街、Tuiに入る。たった一本の川を挟んでいるだけなのに、言葉もほとんど同じなのに、建物や人の雰囲気が変わり、違う国に来たという実感が素直にした。何より驚いたのは、ポルトガルではほとんど影をひそめていた私の花粉症が、スペインに入った途端に激しくなったこと。自然と体は何でも知ってるね。

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ところでこのポルトガル最後の街Valencaに泊まってポルトガル最後の時間を堪能するか、初めの街Tuiに泊まってスペイン再訪初日を楽しむか、ということはギリギリまで悩んだものの、最終的にValencaで泊まることにしたのが結果、今回の旅のハイライトの一つに。
その日の道中でたまたま出会ったアイルランドの男の子と宿も同じ部屋になり、一緒に街を散策。このValenca、国境にあることもあって元々城壁に囲まれている要塞の街だったらしい。今は要塞の外に街が大きく広がって、一見大きな近代的な街に見えるけど、その要塞の中の町も健在していて(ほとんど観光客向けのようだけど)

城壁の中への入り口。普通に車も通れる

城壁の中への入り口。普通に車も通れる

その中に入ると雰囲気が一気に変わり、中世のヨーロッパにタイムスリップしたかのよう。城壁に上ってみると、対岸のスペインが一望できた。何重にも取り囲むようにして作られている城壁はまるで迷路のようにも見えて、中を歩けるようになっている。あぁもう一日いたい・・。   どこでもこんな気持ちばっかり。

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あまりにも気持ちのいい場所だったから、要塞の中にあったワインショップに入ってワインを一本、そしてワイングラスの代わりをショットグラスを買って、
城壁の上で乾杯。ありがとうポルトガル。最高の時間でした。そしてスペイン、明日からどうぞよろしくお願いします。

・・と、一つひとつの街について書き始めるとキリがないくらい楽しみながら、いよいよ到着したサンチアゴ。でも今回はその先のフィステーラに向かうこともあって、私たちにとっては道中の美しい街の一つのような感覚で訪れた。

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サンチアゴに到着した途端、フランスからの道をはじめ各地から訪れた巡礼者たちで大賑わいの空気感に包まれる。去年と違ってたのは大聖堂が改装工事中だったことくらいかな。 でもあぁ、やっぱり好きだな この幸せな空気溢れる街。聖ヤコブに御礼参りをし、翌日からの歩きに備えてゆっくり休む。

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サンチアゴからフィステーラに向かう行程は、なんだか映画でいう番外編のようで、それでいてこれからが始まりのような。サンチアゴを出た後はしばらく森の中の道が延々と続いたかと思うと、最後はターコイズ色の大西洋が目の前にバーンと広がる道を、WORLD ENDに向かってひたすら歩く。

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それにしてもこの大西洋の色の鮮やかさには目を奪われた。どういうわけか、今までのフィステーラの写真はどれもちょっと曇ったような色の空に海の色だったから二人ともこの海の色を見ただけで今までの疲れが取れ、同時に早くその海辺へ行きたい!!て気になって ついつい歩調が速くなる。

誰だ こんな粋な言葉をここに書いたのは。 一番テンションが上がった瞬間。

誰だ こんな粋な言葉をここに書いたのは。 一番テンションが上がった瞬間。

いよいよフィステーラの町に入った後、巡礼道のマークがビーチへと続く。なんて良くできてるんだろう。最後の2kmくらいを、長い長いビーチの横を歩いて行く。疲れた足を癒すように海に入りながら終点へと歩く人、惜しむように貝殻などを拾いながら向かう人・・。

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そうしてフィステーラに到着した後、遅い夕日の時間(夜10時!)を待って最西端の灯台へ。
同じく歩き終えた、スッキリした表情の巡礼者たちが集まっていて、それぞれの思い出を話してる間にいよいよ日が沈み始める。

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それを、まるで映画でも観てるかのようにただじっと見守り、誰一人動かない。そして最後の最後の光が消えた時、拍手が沸き起こった。

無事にここまでこれたことへの感謝か、自分を褒めたたえてか、みんなそれぞれの想いを持ちながら過ごした最後の時間。素晴らしいエンディングでした。

ありがとう CAMINO!!!

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巡礼最後の〆は、やっぱりガリシア名物のタコ Pulpoで。

巡礼最後の〆は、やっぱりガリシア名物のタコ Pulpoで。

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◎今回の草の根活動結果◎
前回より出会う人数が圧倒的に少なかったことで思った以上に広めることができなかったのは残念だけど、その分一人一人と深く話ができました。
<四国遍路のことを伝えた人>
ドイツ 9
オーストリア 4
スイス 2
オランダ 2
フランス 1
エクアドル 1
アメリカ 9
ブラジル 1
スペイン 4
ポルトガル 1
ハンガリー 1
アイルランド 1
イギリス 1
カナダ 1
オーストラリア 3
デンマーク 1
南アフリカ 2
合計44人

<その内、四国遍路を既に知っていた人>
6人

<日本に来たことがある人>
2人

やっぱり、まだまだパイは大きい。 次はどこに種まきしに行こうかな。

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